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無意識の差別

-今日の遠吠え-

30歳を超えて、20代の自分が予想していた以上に周囲から「負け犬」扱いをうけることに戸惑い、今以上に深刻に傷ついていて、まだ笑いとばす余裕が無かった頃。
仲間の中では学校を出て一番早く結婚をした女友達とひさしぶりに会った。

最近どうよ、歳とったよね気がついたらお互いもう30だね、っていう話から調子にのって、きっと「人並み」「片付いてる」彼女にはわからないだろうなぐらいの気持ち半分で、親戚や心無い年寄りどもから「行かず後家」扱いをされ、はたまた職場のあたまの悪い男どもからは「未婚の三十路おんな」という偏見で、若い女性と比較され、陰で「あのひと結構な歳でしょ」なんてささやかれ・・・。

あなたには、わからないかもしれないけど、というモードで話していたら、彼女が泣き出したのでビックリしてしまった。

彼女はその当時、結婚してから既に7~8年経っていたが子供はいなかった。デリケート且つ極プライベートな問題なので、その理由はわたしは知らない。けれど、きっといろいろな思いや事情の積み重ねでの、彼女たち夫婦の選択の結果が単に子供がいないということだったに過ぎないと思う。

「わかるよ、その気持ち。わたしも同じ切なさを結婚してからずっと味わってるよ。」
と彼女は泣きながら話した。
挨拶みたいに、既婚とわかると「お子さんはいらっしゃらないんですか?」と聞かれる。こころない人は「結婚して長いのにどうしてですか?」と無神経な干渉をしてくる。
夫の実家に行けば、こどものいるほかの兄弟夫婦と比較され、「子供を産んでいないあなたは長男の嫁失格、あんたたち夫婦は半人前」と言わんばかりの苦言をはかれる。

お互い自分の選択を自分でできるおとなになったはずなのに、どうして一人前って認めて貰えないんだろうねと、「オレッてもうオジサンだしぃ~」とか後ろで、受け狙いの若者がギャーギャー騒ぐ声が響く居酒屋で、おんなふたり涙した。
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今日はちょっとまじめモードっす。

ずいぶん前のことだけど、TVでアメリカのハイスクールで人種差別を無くすための教育活動をしている、アメリカ人女性教師のドキュメンタリーをやっていた。

日本人として日本の社会で生活しているとわからなかったが、人種差別ってこんなに実は未だに根が深いんだとあらためて驚いてしまった。

先生が教室で生徒たちにまず質問を投げかける「あなたは自分が人種差別をしていると思うことはありますか?」ほとんどの生徒が「NO」と答える。
では、自分が人種差別なんてしていないと思う理由を聞かせてください。とアングロサクソンの生徒をひとりずつ指していく。

「だって、僕には黒人の友だちもいます。」
「わたしは、いつも黒人の友達を認めています。『お前はマイノリティだけどいいやつだよな』と。」
などなど・・・。

「なるほど、ではこれから授業をはじめます。」と先生はわざと、白人の子だけ床に座らせてマイノリティの生徒だけを差別的に優遇したり、白人の子だけ厳しくしかったりと「白人差別」のパフォーマンスをしながら授業をしていきます。すると「なんで、わたしは白人なのに、マイノリティのあいつらが優遇されるんだ!」と癇癪を起こす生徒が出てくる。そして先生はそこで問いかけるのです。「あなたに今こみ上げてくる屈辱感はどこからくるかわかりますか。」と。
そうして、何人かのかしこい生徒は「自分は白人なのでマイノリティの彼らより優遇されるべき」という意識が自分の根底にあることに気づいていく、というすばらしい授業でした。

この授業を見ていて「人種差別」って見た目からきているからすごくわかりやすいけど、日本の社会に生活していても、差別だらけだよな、と思った。
そして「結婚していない三十路おんな」「こどもを産んでいない女性」ということで、人並みじゃないという差別を自分も日常的にうけているんだな、と気がついた。

先の授業で、もうひとつ興味深かったのは、最初に先生は黒人の子にも質問をします。
「では、あなたは今白人の子が答えたように『お前はマイノリティだけど・・・』という言われ方をして、不快に感じたことはありますか?」ほぼ全員が「Yes」と答えていた。
けれど、そんな屈辱を日常的にうけながら、彼らはまるで、でも生まれたときからずっとそうだしなぜ今さら?と言わんばかりにキョトンとした表情をしていたことでした。

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おひとりさま、思いをはせる」カテゴリの記事

コメント

>まだ自分についての言い訳探しをしていただけだったからかもしれません。

おお。
コメントのコメントありがとうございます。

私なんて、自慢じゃないけど「不平不満、言い訳は言わない。」って決めたの、ついつい最近ですよっ。
いや~大人になるって時間かかります。
人によるのでしょうけど。

アドラーはR・カールソンなども取り入れている気がしますね。
それと、読むタイミングによって感じ方が違うっていうのもよくわかります。
「こんな本やったんかい。」と思うこと、よくあります。
不思議な様な得した様な気分になります。

本読んだり、勉強したりするのって、たのしい~です。


投稿: さかの | 2004/11/10 00:19

さかの様

はじめまして!コメントありがとうございます。
いつもぽーさんからよくお話をおうかがいしておりました、やっとお会い(?)出来たという感じがします。(笑)

心理学っぽい話が好きで、思うところあるとついついその手の本を手にするほうなのですが、一般的にフロイトっぽい説に基づいているものが多いですよね。「なぜか」ということを探る内容。
確かに「なぜか」を見つめることで、では次にどうしようという手がかりになることもありますが、こころが弱ってるときって、実はその「原因」を、うまくいかないことの言い訳に自分のなかでしがちだったりするんですよね。それで、結果自分をかわいそがってみたり(笑)それではあんまり事態は変わらないんですよね。

>アドラーは行動の原因ではなく「目的」に焦点を当てている点、
>ライフスタイル(性格)は変えられるとしている点、
>人を支配してはならないとしている点、
>がとても希望に満ちていてよいと思っているのです。

おっしゃるとおり!今の私にはとても目からうろこな一冊でした。ぽーちゃんがアドラーを薦めてくれるきっかけになった記事に書いている伊藤守さんの本ですが、彼がアドラーを学んでいるかどうかはわかりませんが、同様の視点を誰にでもわかりやすく、端的で印象深い言葉で表現してある本でした。記事にも書いているように20代のわたしがそんなに感銘をうけなかったのは、まだ自分についての言い訳探しをしていただけだったからかもしれません。年月の経った今、もっと前に進みたくなったので、あらためて感じるところがあったのかなと思っています。

もの思いにふけるのが好きで、そんな時ぽーちゃんに「悩めるhideboo」なんて時おり呼ばれますが(笑)そういう意味では、深刻な顔をしているようで、実は今けっこう前向きな状態なんだと、自分でふりかえって、ちょっとおかしくなったりします。

投稿: hideboo | 2004/11/06 23:58

あやしい者ではありません。
ぽーさんの大学つながりです。
ぽーさんのブログ経由でたどりつきましたが、アドラーと聞いてはだまってはおられません。

いや、2~3冊本を読んだだけで偉そうなこと言う程勉強していないんですけど、
アドラーは行動の原因ではなく「目的」に焦点を当てている点、
ライフスタイル(性格)は変えられるとしている点、
人を支配してはならないとしている点、
がとても希望に満ちていてよいと思っているのです。

原因にスポットをあてられていて、例えば3歳になるまでの間に親の愛が少なかったから、そういう行動に出るのだ、と言われても、もう、過去にはもどれないのでどうしようもないわけですが、アドラーは、今、このときに焦点をあてているので、変えようと思えば変えられるんですね。

小さいときから作ってきたライフスタイルは刷り込まれていますから、それなりの覚悟と気合いが必要ではありますが、確かに変えることができないわけではないみたいです。

アドラーは人の心をほじくり返したりひっくり返したりするのではなく、客観的に冷静に事実を見極め様としている様な気がします。

以下の「続アドラー心理学トーキングセミナー」もいいですよ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4795234701/qid%3D1048082600/250-7561689-3402663

岸見先生のHPもよく読んでます。

アドラー自身の著作は挫折中です。うう。

投稿: さかの | 2004/11/04 23:52

以心伝心な「ぽー」です(笑)

哲学や心理学って、今の自分のこと・他人のことを理解したり、何かを発見するヒントだったりすると思うの。
生きることってこの学問と相当密接だと思うんだよね。あと物理ね(笑)あ、生物もだ・・・ぐるぐる。

うまくいえないけど、アドラーは結構イイよ。^^

投稿: ぽー | 2004/11/03 21:30

「知らんひとから相談をうける」(笑)あっ、そのネタ今度記事にしましょう(笑)

確かに、わたしは人の心理ってすごい関心ありますね。いろいろ洞察するとおもしろい。でもそれって、特定のひとの心を読もうとか、言葉や行動の裏にあるものを探っておもしろい、とかそういうのとよく勘違いされるのだけれど、ちょっと違うんだよなー。
うまく説明できないけど、自分が自分にいかに正直でいられるか、という課題に関係があるのかもしれない・・・って意味不明ですよね、哲学系とかわけわからん本の読みすぎだ(笑)

投稿: hideboo | 2004/11/03 21:00

アドラー・・・心理学って非常に興味深いんですけど
内容が難解なんですよね。その昔心理学部ってとこに
とーっても入りたかった時ありましたけど、女性ばっかり
だし?何だか「お偏差値」も非常に高かったので断念
しました。

つーか、人の心読むのかなり苦手な私にはもともと向いて
いないんです。ヒデブーさんはすごく人の気持ちも分かる
し、知らん人から人生相談されるようなオーラがある
しで、カウンセラーとか向いてるかもしれませんね。

チイ子はきっとしんちゃんが立派に育ててくれることを
祈ります!だめかな~。

投稿: チイ母 | 2004/11/02 15:15

Q~!

コメントありがとう。
そうそう、丁度過去の記事にも登場しますが、ぽーさんお勧めの、最近読んだ「アドラー心理学入門」という本にも「言葉のコミュニケーションの大切さ」ということが書かれていました。
日本文化で美徳とされがちな、言わなくてもわかってあげる、いわゆる「察しのやさしさ、思いやり」というのは、上手くいったときはそれは感動もので、すばらしいコミュニケーションとなるけれど、それ以上に「言わないことの思い込みによる行き違い」のリスクのほうが高いということが書いてあったな。
意外に「不愉快です」「やめてください」ってさっさとシンプルに言ってしまったほうが、サッパリと相手も自分も無駄に傷つかない、よいおとなの関係ができるのかもと本当に思います。
「アドラー心理学入門」はちょっと哲学書っぽくて難しいところもあるのだけれど、子供の教育や接し方の視点から書かれている部分が多くて、これからチー子の成長を考えるQちゃんにも結構参考になるかもです。おすすめよ!

投稿: hideboo | 2004/11/02 01:19

ぷれこさん

アクセスいただきありがとうございます。
そうなんですよね、気にせず流されず、自分らしくいられる柔軟性と強さを持ちたい!と思う今日この頃です。

投稿: hideboo | 2004/11/02 01:11

↑違う方のブログURLを入れてしまいました(^-^;

投稿: ぷれこ | 2004/11/01 03:43

hidebooさん、こんばんは。
コメント、トラックバック、ありがとうございました。
結婚していないと、結婚しないの? 結婚すると、子供は? ひとり生むと二人目は?
いつまでたっても女は言われ続けるって、わたしの大先輩も言ってました。
男性には聞かないっていうのが、なんだか納得いきませんよね。
その傾向はずいぶんなくなってきたと思っていたら『負け犬』ブーム。
なんで今さら? と思いましたが。
女性がノビノビしてきたので、ちょっとした時代の揺り戻しかもしれません。
そんな言葉は気にせずに、自分にとって最高の人生のパートナーを見つけてくださいね。

投稿: ぷれこ | 2004/11/01 03:41

こんばんは~Qです。
いつもヒデブーさんはアツイですね!

私もなるべく言葉には気をつけよう、と常に思いつつ、
思わぬところで人を傷つけてしまったこと、あります。
本人は無自覚なのですよね。たちが悪い・・
幸い、その時は友達が教えてくれました。
これからも友達でいたいからあえて言うけど・・という
感じで。ホント言ってくれて有難う!って思いましたよ。

教えてくれる人がいないと、ずーっと気がつかないで
そのまま来ちゃうんですよね。だから、ヒデブーさん
みたいに、言葉に出してくれると
ハッと我に返る人、結構多いんじゃないかなあ。

なんて、ふと思いました。

投稿: Q | 2004/11/01 00:20

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colomn@管理人室の子育て支援の落とし穴というblogを読んだ。 筆者のporonさんは、最近、ウンコライター(本人弁・ゴメン)として、ココログのオフィシ... [続きを読む]

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