« R-おとな | トップページ | おさるとメキシカン »

ハケンの品格 最終回

安っぽいドラマねぇ~と噂しつつ、ついつい気になって最終回見てしまいました。

どうやら、派遣スタッフのアイディアが大当たりしたことを通して「働く」とか「仕事の成果」とか「チームワーク」とか、そういうものには、雇用形態なんて関係なく・・・云々というストリーだったようだ。

わたしが派遣社員として働いていたときに体験した、現実はそんなドラマみてぇじゃねぇよだけど、根本は同じような体験を思い出した。

一応ひととおりの社会人経験のあるわたしからみたら、こいつ何思い上がってんだ?と日ごろから思っていた、礼儀知らずの上昇志向丸出しで、たまに丁寧に接してきたと思えば慇懃無礼なカンジが鼻につく、隣のラインの若手男子社員に、ある日、自分が開発中の女性向けサービスについて感想をヒアリングされた。

その質問自体が「ぼく男なんでぜんぜんわかんないですけど、こんなカンジ、おんなのこってカワイイとか思うんですかね。」みたいな、ターゲットとするお客さまを潜在的に舐めたような質問の趣旨もちょいと鼻についたが、まあそこは浅はかな質問にはテキトーに「いいと思いますよ!とっても」とテキトーに答えておきながら、ところで・・・。

当時、来る日も来る日も、集計や単純な事務なんかのルーチンワークに飽き飽きで、ひとの仕事であろうとおもしろそうなことに貪欲に興味津々だった私は、彼の質問の論点とは全然別の、そのサービスの根本的な仕組みについてふと、小さなアイディアが頭に浮かんで口に出た。

「ところで、全然別のところなんですけど、そもそもこの仕組み、何で●●●にしないんですか?あたしそしたら思わず使っちゃうっ!」と、いろいろな諸事情とか、ややこしい調整に無関係で無責任なハケンの立場ならではの、ジャストアイディアがつるりと口をついて出た。

ところが彼は、ふーんまあそうかもしれないけど、まあそんなことより、訊いたことに答えてくれればいいよとばかりの無関心な態度を装い、
「なるほどねぇ・・・。ところでこれでとりあえず、変じゃないですよね?」と確認して、その場の会話を終えた。

今思っても誰でも思いつきそうなアイディアで大した工夫でもなかったと思うが、でも当時の市場の技術からするとインパクトがある内容で、その後2、3日、私は、そもそもハケンの我々よりもいろいろな情報も持っているのに、なんで私ごときが思いつくような、大して画期的でも新しくもない簡単な工夫が浮かんでこんのか、このガキはと、ちょっと彼を卑下しつつ自分の自尊心を再確認するような虚しい思いがときおり頭に浮かんで、彼の企画がどうなるのか頭の片隅で気になっていた。

数日後、出勤して驚いた。
その日リリースした彼のサービスに職場がちょっと沸いていた。部課長までもが、そのインパクトのある仕組みを試しては面白がり、「○○クン!これ、なかなかいいよ!がんばったじゃん!」と、彼を大賞賛していた。

「はい、いやそうですか。まあちょっと××の調整とか大変でぇ、うるさくて苦労したんですけど・・・」
と平静を装いながらも彼は得意顔だった。

みんなが注目しているのは、先日あたしの口をついたアイディアだった。

ドラマとは違って、もちろんそんなに現実は甘くなく、ただおもろいだけでその仕組みは社内で盛りあっがったきり、いつか忘れ去られ、何のビジネスにもならなかったけど。
あの時は悔しいというか、なんとも苦い気持ちで、職場の仲間のためにいろいろ考えているのに、まるで存在を無視されたかのような疎外感を覚え、そのときを境に、どんなに単純な仕事でも、興味をもっていろいろやってみようという気持ちが一気にしらけだしたことを思い出した。どうせ一生懸命やったって、ひとの手柄・・・。

ドラマだからさ、小泉孝太郎がかっこよく「ぼくは社員とハケンとが一丸となって・・・」なんて公然の場で言ってくれたりするけど。
いまでも誰かに知ってもらっても言ってもしょーもないとも思う、でも私だけがネに持っているちいさなドラマ(笑)

別にすごいねとか認めて欲しかったわけでもないけど、でも、彼があのとき「いやぁ、いろいろヒアリングした意見にヒントを得て。」って正直に言ってくれていたなら、随分違ったと思う。
自分の名前が表に出なくたって、もっと提案したり、どうかなこうかな?って思いを広げたり、もっとその職場の中で何か出来ないかなって、ハリキリ続けられたと思う。

私は前に務めた職場の経験とか、いろいろなひとの体験談とかから、「長い会議が増える」「教育をやたら謳う」、そして「精神論の誇張」がヤバイ職場の3種の神器、いや、3つのバロメータだと思っている、でも。

頑張る、とかやる気、とかは手段であって、中身が無いのにそれをあたかも絶対の成功条件みたいに掲げるのって、建設的でなくて論外だとは思うけど、でもその前に、やっぱり人がはたらいているのだから、思いとか信頼関係ってつくづくまずは基本だと思う。ハケンだろうが正社員だろうが、それぞれの立場とか経験からの思いとかがきっとある。

その後、正社員の立場になって働くようになったのだが、今あらためてそのときのことを忘れちゃいねぇか?と反省しつつ。


そういや、ちょっと似ている事例で、この間産休後、育児制度を利用して勤務している友達と久しぶりに会う機会があって、いろいろおしゃべりした。
その人の会社は、はたからみると子育て中の女性も職場復帰しやすい雰囲気のように思っていたけれども、渦中の本人しか体験しえない、いろんな悔しい事情があることを知った。

話をきいていて思ったのは、いろんな制度は整っていても、結局は物理的に100%パワーを仕事に注げないひとも「許してあげる」という風潮だというのが現実なんだなということ。
時間的に融通がきかないとかそういうことは給与制度とかそういうところで、仕組みとして公平(?)になっているのだから、評価に影響があったり、受け入れとかで疎まれたりする風潮はどうかと思う。

実業家として大成功をおさめるか、なるべく大きな企業で出世する!それでこそ男!っていう単一化された価値基準だけでなくて、育児とか介護とかかかえていても、ハケンという立場でも、もっといろいろな働き方をするスタイルを「許してあげる」んじゃなくて、普通のこと、って受け入れられたらもっとみんなハッピーになれるし、いろんなひとが、いろんな力を発揮して、経済効率もあがるんじゃないかと思う。

|

« R-おとな | トップページ | おさるとメキシカン »

おひとりさま、思いをはせる」カテゴリの記事

コメント

ビジネスの世界ってお金があっちへこっちへ。競争があって泥臭い世界なの。資本主義のもとにあっては、たくさん働ける人、よりたくさんお金をもってこれるひとが重用され優遇されるのは当然のこと。

でも、バリバリのひとだけで、世の中の経済活動が成り立ってるかっていえば、絶対そうじゃないのよね。
縁の下の力持ちみたいな役割のひともいるだろうし、そもそも、2:6:2理論じゃないけど力量に差のあるひとがバランスとって、うまくまわるように世の中できてるらしい。

でも、そういうの忘れて、テングになって必要のない見下しをひとにするひともいれば、逆に、わたし家庭と両方でタイヘン!を職場で振りかざす、カンチガイさんもいるし。

いろんなひとがいろんな役割で自然に社会に受け入れられたらみんなハッピーになれるし、そしたら経済効率も意外にあがるんじゃないかしらとか思っちゃうわぁ~

制度の問題じゃなくてひとのキモチの問題なんだよねー

投稿: hideboo | 2007/03/20 12:51

私は年末まで派遣社員でした。

中学の同級生に派遣を見下してると言い切られました。
(=私を見下してるってことですね。)
勝手なことして責任取るのはこっちだからと。。。

責任。。。
彼女は責任が取れるような立場ではない。
取るのは上司。

彼女は何の役職も無い、ただ中小企業で12年経理をやっているだけ。
それでも自分はプロフェッショナルだと言い切る。

プロフェッショナルって言葉は簡単に口にできるものではないと私は思ってます。
それに、どちらかといえば派遣の方がプロフェッショナル。
だから、派遣をしているわけだから。

自分をプロというのならば、そんな狭い世界に居ないでドンドン広い世界に進出していけばいいと思う。
それも出来ない人に派遣の存在を否定されたくないと私は思う。

私はこれから正社員に戻る準備に入ります。
自分が経験した分、正社員だろうが派遣だろうがパート・アルバイトだろうが、その人の歩んできた道は尊重したいと思ってます。
ただ、人を思いやる気持ちのない人はNGですが。。。


投稿: いもうと | 2007/03/16 13:49

私も昨日偶然に見たよ。最終回だったのね。
ハケンで働いた事ある人は、なんだか同感する部分が
あったような?感じかな?

育児休暇の件。そうねぇ。普通に社会が認識してくれる周囲の協力は必要よね。私もこの子育てしながら、働いている一人だけど、ウチの会社は割りに融通が利くので
よかったと思っているけど、一般的な会社は、休む事で
周囲の目が気になるよね。

今は小一の壁という壁があるんだよ。
保育園迄の整備は整っているけど、昨日まで親が迎えに行った保育園から、卒園すると、今度は学童から子供一人で帰らなければならない現状があるのね。
5時位学童を出て一人で自宅まで帰るのって危険だよね。

これを小一の壁といって、子供を野放しにはできないので、仕事と家庭の両立を断念するお母さんもいるみたいよ。
最も、地方自治体によっては、色々対策を練って、
6時以降も預り、お母さんのお迎えが厳守という
整備の整っているところもあるんだけど..
学童についてはまだまだ整備されていない部分なのよーーー。

子育てと仕事の両立は本当に奥が深いよね。

投稿: りぃこ | 2007/03/15 15:15

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3276/14266976

この記事へのトラックバック一覧です: ハケンの品格 最終回:

» 直感勝負! [花音world]
日々の出来事などを5・7・5で表現したり、趣味の携帯写真を公開したいとおもいます。 [続きを読む]

受信: 2007/03/18 11:01

« R-おとな | トップページ | おさるとメキシカン »