« ふたご、産みました。 | トップページ | せつない鳩ビジネス »

さようなら、ありがとう、阿久悠 先生

先週の金曜日の話だけどNHKで、先日逝去された作詞家 阿久悠の追悼番組を見た。

070806akuyuu

幼稚園のとき、およげたいやきクンの次に自らおねだりをして買ってもらった初めての歌謡曲のレコードは岩崎宏美の「ロマンス」。
当時は、普通の幼児が教育の場で愛だの恋だのおとなの歌謡曲を歌うなんて、まだあんまり好ましくないという眉をひそめるおとながいる時代で、おうちで歌っていると母に幼稚園では歌っちゃだめよと言い聞かされていたにもかかわらず、ある日先生に「みんなの前でお歌をうたいたいっ!」とお願いして、ステージに見たてた大きな積み木の台の上でお尻ふりふり岩崎宏美になりきって歌った快感が、わたしの目立ちたがり屋の原点だ。

小学校低学年のときは、けっこう真面目に大きくなったらピンクレディーになりたいと、実は思っていた。ビデオも無い時代今思えばよくあれだけの歌詞と振り付けをおぼえられたもんだと思う。

そんな感じで私は阿久悠を聴きながら阿久悠に情緒をおおきく形成されながら育った。
追悼番組から流れてくる名曲と映像の数々は、忘れてたこどものころのこと、あのときあんなこと考えてたとか、これに夢中だったとか、いろんなことを思い出させた。

阿久悠先生のめざしていたところはTV時代にあって、時代の求めているものをキャッチしながら、でもそこに媚びるのではなく、本物の日本語で真剣勝負したい、というところだったと、ゴールデンコンビである作曲家、都倉俊一が語っていた。

時代おくれの男になりたい

気絶するほど悩ましい

どうにもとまらない

地球の男に飽きたところよ

時には娼婦のように

また逢う日まで

ざんげの値打ちもない

青春時代の真ん中は道にまよっているばかり

ひとはみな孤独の中、あの鐘を鳴らすのはあなた

おお、おとなになってあらためて眺めてみると、ひとつひとつは奇をてらった新しい言葉を使っているわけじゃないけど、わかりやすい言葉で且つ聴く人のこころに余韻を残し、なんと印象的でグッとくるフレーズばかりではないか。

父がいっしょに歌番組を見ていると「まったく最近の歌は何言ってるんだかわからないし、何でいちいち必ず英語つかわなきゃいけないんだ?」とかならずブツブツ文句をいう。
娯楽なんだから、今時の流行なんだから、つまんないこと言わないで黙って楽しみなよ、とこころの中で思っていたが、なるほどあらためて、父の言っていることに納得してしまった。

以前少しの間、ある人気WEBサイトで、いくつか面白いと思うサイトをWEBサイトから探してくるという仕事をした。独特のセンスで注目を集めていたサイトでの初仕事、少々力み気味ではりきっていた。でも果たして自分の面白いがひとに通じるか自信がない。
あれこれ迷って結局「多分、こういうのを読者は面白いとおもうのだろう。」というものを入稿した。要はウケ狙いに走ったわけである。
WEBマスターに見透かされてしまった。「あべこさんがほんとうに面白いと思うものを真剣に選ばないとダメです。」と叱られて全部やり直した。
なるほど、どうしてそのWEBマスターがサイトに人を集めることができるのかがわかり、感服した。

求められているものを感じとり、でも媚びることなく、ひとりよがりになることもなく、本当に価値があるというものを追求し提供する。
阿久悠先生は、ものすごく優れたマーケッターであり、めざしていらしたところは普遍的なひとのこころを掴む真理をついているんだと、つくづくまたまた感服してしまった。

さらに、
生前のインタビューの中で、「不幸の一歩手前のせつなさっていうのかな。豊かになって生活の基盤が整っていても、どこか満たされないものを感じているひとが世の中にいっぱいいて。明日死んでしまうとか、どうにもならないとかいう不幸ではないんだけど、でも満たされない、不幸のいっぽ手前のせつなさみたいな、上質の感傷というか、そういうものを表現したいと思う。」というようなことを言っていた。

070806rinda

まさにおひとりさまの心境じゃないっ!

すごい、すごいは!やっぱり阿久悠先生。

ところで・・・

070806finger5

↑ わたしのスピリチュアルカウンセリングの先生がクリソツなんですけど。(笑)

|

« ふたご、産みました。 | トップページ | せつない鳩ビジネス »

おひとりさま、思いをはせる」カテゴリの記事

コメント

最近、昭和=あべこ って言われると、えぇ~あたし、そういうイメージ?って不平を言いながら。悪い気がしない。(笑)

投稿: あべこ | 2007/08/08 00:30

阿久先生って昭和=あべこ(笑)を代表する先生だものねー。
この先生の歌詞って覚える気じゃなくてもスッと入ってくるところがすごい。言葉マジックだーと思うのよねー。

投稿: nanaco | 2007/08/07 08:41

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3276/16032108

この記事へのトラックバック一覧です: さようなら、ありがとう、阿久悠 先生:

« ふたご、産みました。 | トップページ | せつない鳩ビジネス »