遅ればせながら、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて遡って、お正月三箇日の出来ごと。
横浜の菊名駅から遠回りして自宅へ向う途中に、前々から気にはなっていたのですが境内に足を踏み入れたことのなかった、とあるお寺があります。
新年参詣ムードで入り易そうな感じがしたので、先日通りかかったついでにちょっと立ち寄ってみることに。
歴史がありそうな立派で大きな門柱をくぐって境内へ入ると、
思いのほか、荒れて寂れていた。母屋らしき建物の横には、ずいぶん前の祭事の名残であろうか、色あせ煤けたのぼりやら飾り物が乱雑に積みあげられている。お正月だというのにひと気が無く、参堂から少し離れた壁が崩れた墓地からひっそりとお線香の煙と香りがただよっている。
何の宗派だろうかと、茶色く日に焼けた古い張り紙がいくつかある掲示板を眺めていたら、突然後ろから「こんにちわ」と声がしたので驚いた。
振り向くと参道を挟んで向こう側の母屋の扉がいつの間にか開いており、真っ黒な墨の僧衣姿のお坊さんが手招きしながら立っていた。
金糸や紫とかのあでやかなやつではなく、中尾彬が着たら似合いそうな感じの昔話かドラマでみるような古典的な墨烏色の僧衣。
寂れたお寺の雰囲気とやたらとマッチしていて、ちょっとビビッた。
「・・・差し上げますから、どうぞこちらへ」と呼ばれるままに、少々おののきながら歩み寄り「寒いですからこちらへ」と導かれるまま母屋の土間へ。
「よろしかったらどうぞ。」と手渡されたのは、よく年末年始に配られる九星の今年の運勢が書かれている御詳暦の冊子と、それから紙に包まれ紅白の紐がかかった折だった。ずしりと重い。きっと正月振る舞いの紅白餅だと思い、遠慮なく頂戴することに。
古風なこのお坊さんはほんとうに「生身」のお坊さんだろうか?幻だったりして・・・(と思ってしまうような雰囲気)と警戒しながら、どこからいらしたんですか?はじめてですか?お仕事は?ご出身は?と柔和な笑みでちょっとKYモードで尋ねられるままに答え。
何だか話が長くなりそうな・・・どこで切り上げようかと思い始めたところで、タイミングよく母屋の奥で電話がなった。「あ、ちょっと電話なんで失礼しますね、また来て下さいね、上のほうにはタイから来たお釈迦様なんかもありますから・・・」と、お坊さんは奥へ消えていった。ちゃんと足もあったしお化けは電話に出ないだろう、急に現実に引き戻された気分で、あーよかった話が長くならなくてと、ずしりと重い折を手にそそくさとお寺を後にした。
このときそもそもは、正月実家で過ごす荷物を取りに行くためにひとり自宅に向かうところだった。
あわただしく荷物をまとめ、さっきの餅は重いし自宅においておくかとも思ったが、一応中身を確かめて見ようと包みをとくと、

なんと!中身は立派な尾頭付きの鯛だった!!(お釈迦様の出身地タイではなくて魚の。)
え?私檀家でもないのに、見ず知らずのひとからこんなものもらっていいのか?
と思いながらも、生ものを放置するわけにもいかないので、カバンに詰めて実家に持参することに。
実家に帰って開けたらやっぱり餅だったりしてー、とか日本昔話みたいな想像をしてみましたが、やっぱり鯛だったので次の日の朝、潮汁にして家族でいただきました。
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