“フン害”ツバメ巣落とした73歳を保護法違反で書類送検(読売新聞)
ひどいわっ!って憤慨したいような、じいさんの思い余った心境がわからなくもないような・・・。
はとのウンコはハンパじゃないよ、ツバメどころじゃないよ多分、まじで。
------------------
予想より早く、子鳩兄弟「グルッ&ボー」(※三味線は弾けません)はいつのまにか巣立っていた。
昼間ベランダに見に行ったら留守だった。
ああ、さようならぐらい言って欲しかった・・・。黙って出て行くなんて。
と感傷にふけったのもつかの間、
ちゃんと夜になったらふたりそろって戻って来やがった。
せっかく汗びっしょりになってゴシゴシデッキブラシでこすってきれいにしたベランダに一晩でまたウンコの山。
やっぱりダメなの。
あなたのこと好きだけど、私たちいっしょに暮らすことはできない・・・。
思い切って部屋のカギを変えた。
まちがえた、思い切って入って来れないようにネットを張った。
さようなら。
あんなに鬱陶しいと思っていたのに、いっそのこと私の前から消えてしまえばいいのにと
何度も何度も思ったけど。
やっぱり、さよならぐらいちゃんと言うんだった・・・。
このネットを挟んでこちら側とあちら側。私たちもう違う場所で暮らしていくのね。
って思ったのに、
またもやその晩やっぱり彼は、いや鳩はいつもの場所に帰っていた。
どうやって!?どっから入った?
ネットの障害をくぐりぬける危険を冒してまで・・・その愛に心が揺れた。
まちがえた、その執念に根負けした。
わかったわ。今晩だけは泊めてあげる。
その晩、ベッドの中で壁を挟んだ向こう側の気配に耳をすませてまどろんだ。
もう終わりにしなくちゃね、あたし達。ひと晩考えたけど決心しなくちゃ私。
翌朝、彼が留守の間に携帯アドレスを着信拒否設定にした。
まちがえた、鳩よけのトゲトゲもベランダの縁に設置した。
180mで840円・・・。
最後の贈り物ね。

ネットのすそもわきも、全部しっかり結び直した。
夕べ、帰ったらベランダに彼の、いや鳩の姿はさすがになかった。
なんだかがっかりしたようなこの気持ち。
ふふ、いやだあたしったら、何を期待していたんだろう。
小奇麗に静かになったベランダがしんとしてなんだかいつもより寂しい。
昨日までの喧騒がずっと前のことみたい。
でもここに本当に暮らしていた証として、残り香だけがそこにあった。
臭っ。
ウンコもちょっとあった。

翌朝、ネットの間から見上げると、そこまで来ている秋を思わせる青いそらが広がっていた。
夏ももう終わりね、今年の夏は楽しかったわ。
さようなら。あなたのことはわすれない。
鳩対策もわすれない。
最近のコメント